クレタ島・サントリーニ島というエーゲ海の空と海をたっぷり堪能した後はギリシャ本土へ。
サントリーニからアテネまでは空路45分くらいで着いてしまいます。アテネの空港から市内まではバスか電車で1時間弱。私はバスで市内へ入りましたが、アテネの町はやたらと埃っぽくて空気が汚れているのにヘコみました(涙)。さっきまでエーゲ海の美しい自然の景色と済んだ青い空気に包まれていたのにぃ。
しかしその日の目的はアテネ観光ではありません。私はホテルに荷物を置いたその足で、デルフィへと向かったのです。
デルフィは、アテネから観光バスで3時間ほど北西に向かったギリシャ中部の山の中にあるギリシャ時代の遺跡です。世界遺産にもなっています。
古代ギリシャ人にとってデルフィは聖域であり、「世界のへそ」とも呼ばれていました(今で
もへその石が遺跡内に置かれています・写真右)。この地では巫女を通してアポロンの神託が行われており、紀元前6世紀頃の全盛期には世界中からやってくる巡礼者が後を絶たず、個人だけでなく王や権力者も続々とこの地を訪れ、ここで授かる神託を元に世の大事が決定されていたそうです。

たしかにこの遺跡は山の中腹・すごい急斜面沿いに建っていて、昔の人がどうやってこんなところにこんな荘厳な建物を作ったんだろうかと思わせます。古代の人の純粋で情熱的な信仰心を感じずにはいられません。とても厳かで神々しくて静かで力強い・・・ここは確かに聖域なんだと感じました。
しかし、遺跡見学は結構大変でした~。
斜面沿いに建っているから急坂が多くて、足場も悪く日陰もない遺跡内は暑くて、みんな
ベンチや木の陰で途中休みながら歩いていました。行きは登り・帰りは下りなので、私が登りながらひぃひぃ言っていると、下ってくる帰りの人たちがにっこり笑って「もう少しよ!」なんて声を掛けてくれました~。旅先での心温まる交流です(笑)。
でも間近で見る遺跡は迫力でしたねー。大理石は真っ白でとても綺麗。青空によく映えます。そして神殿の柱も太いし高い!よくぞ今まで崩れもせずに残っていたと思います。古代の人の願いが伝わってきます。遺跡の中心となるアポロン神殿を始め、劇場(ギリシャ・ローマ時代の遺跡には必ず劇場がある)や競技場(これも必ずありますね)もほとんど変わらぬ形でリアルに残されていました。競技場には石造りのスタートラインまであったし(写真右)。
・・・と遺跡自体にはとても満足できました。遺跡横にある博物館も見所満載・デルフィの町もこじんまりとしていておとぎの町のよう。古のギリシャに思いを馳せて・・・・・・・なんですが、デルフィは私にとっては大変な場所になりました。これは全く個人的なものなんですが・・・。
まずデルフィが近づくにつれてなんとも言えない不安感のようなものに襲われ始めました。町に着いて最初はレストランでランチを取ったのですが、急に食欲がなくなりほとんど食べ
られませんでした。「(帰りたい・・・)」くらいの勢いです。どうしたんだろう、私?あんなに行きたい場所だったのに。
遺跡にいる間はそれでもまだ楽しめたのですが、今思えば無理やり楽しもうとしていたのかもしれません。妙な胸騒ぎというかゾクゾクする感じ・怖い感じがしてしまうんです。なぁんかヘンだぞ此処っていう感じですかね。
ご神託を受けに行くつもりが、とんだことになってしまいました。まあこれも確かに強力なご神託なんでしょう(笑)。現に、帰国後様々な変化や気づきがありましたから。でもデルフィを思い出すだけで帰国直後はぞ~っとする感覚が消えなかったし、今でも少し残っています。こうしてブログを書いていてもまだちょっとだけ怖い感覚が蘇ってきます。
おそらく過去の私はその地で恐怖に基づいて力を行使していたのかもしれません。「死」への恐怖や「裏切り」への恐怖。恐怖心を排除するために猜疑心の塊となって人を傷つけて、更に恐怖を拡大させていたのかもしれません。そんなことを思い出していましたね。
今となっては良き思い出です。デルフィはけっこう行きにくい場所にありますが、山としてのギリシャの男性的な景色を堪能できますよ。
←デルフィ遺跡前のカフェにて。猫もぐったりの暑さです。
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